安心・安全なFエースりんごの産地を訪ねて


 11月14日(日)、Fエースリンゴの産地見学に22名の参加者で行ってきた。Fエースリンゴとは名勤生協で20数年来産消提携商品として、省農薬の安心・安全なリンゴをという消費者の願いを産地が受けとめて開発してきたリンゴである。  8時北部厚生会館で集合し8時30分出発。行楽シーズン日和も重なって混雑した高速道路を名古屋ICから東名高速、中央自動車道を通り、神坂PAで途中合流車と待ち合わせリンゴの産地に向かう。高速道路出口の長野県松川ICでは、2つのゲートしかなく、高速道路本線から渋滞がはじまりゲートを通り抜けるのに20分以上もかかってしまった。予定より30分遅れの11時に奥村農園に到着した。  入園料を人数分払い、適当においしそうなリンゴをもぎ取って食べ始める。もぎ立てリンゴはおいしいと欲張って2つ3つ食べる人も。しばらくして農園の奥村孝吉さんがチラシを持って現れ、Fエース農園の話をしてくださった。リンゴは無農薬ではできないこと、いかに農薬を減らすか、出荷1か月前から農薬を打ち切る為の苦労、リンゴの木一本で約1200個とれること、おいしいリンゴの見分け方などなど。説明を聞いたあと、おいしいリンゴを求めてさらに食べた。記念撮影をして、お土産のリンゴを買って奥村農園をあとに国道を「伊那谷道中」に向けて出発。  途中飯田市には行ったところで昼食を取るが、席に着くのにも時間がかかり、注文の食事が来るのにも時間がかかりで、1時間以上も昼食に時間がとられてしまった。飯田市内の153号線のバイパスから153号線の本線に入るのに渋滞していて、「伊那谷道中」に到着したのは3時30分を回っていた。「伊那谷道中」を見学するものと「満願成就の湯」に入湯するものと別れた。「伊那谷道中」は伊那谷の文化を展示や体験を通して知ってもらおうというカルチャーパークで立体映像の人形芝居や、伊那谷の代表的祭り「霜月祭」の紹介、紙漉き・機織り体験、伊那谷の物産展示即売などが楽しめる。「満願成就の湯」は神経痛、高血圧、リュウマチなどに効くアルカリ性単純温泉で、今日は女性がアップル風呂、男性が巨岩に囲まれた洞窟風呂であり、男女日替わりである。また紅葉すすむ山々を見ながらの大きな露天風呂は今日一日の疲れを癒すには最適である。1時間後入口に集合し、「伊那谷道中」をあとに一路名古屋に向かった。園原IC入口で瑞浪まで25キロ渋滞という表示を見て、国道153号線で稲武・足助に抜け、渋滞の香嵐渓を避け瀬戸を回って8時ちょうどに名古屋大学に到着。豊講前に駐車していた車も門限ギリギリに出すことができた。渋滞で大変な一日ではあったが、実り多い一日でもあった。  おいしいFエースリンゴは12月7日からの第 回豊田講堂虹のつどいにおいて販売しますので安心・安全なFエースリンゴをぜひご賞味ください。(箕浦)

Fエースりんごの「奥村農園」にて


伊那谷伝統工芸阿島傘。伊那谷道中にて

Fエースりんごの特徴を説明する奥村さんと聴き入る参加者


二つのりんごを手に美味しい見分け方を
説明する農園主の奥村さん。


農薬5割カットに挑戦


Fエースリンゴとは
(奥村孝吉さんの話から)
 Fエース農園は信州松川町のりんご、ナシの生産者20名で組織するグループで、Fはフルーツ、フレッシュ、ファミリー、ファーマー、ファイトなどの頭文字のFから取った。
 有機農法が最近話題になっているがFエースでは、もう20年も前から取り組んできている。養豚業者から肥料を買い入れたり、リン酸を豊富に含むコウモリの糞も船ごと一社買い取りでおこなっている。名勤生協の依頼で、無農薬リンゴを実験的におこなってみた。3本完全無農薬で育てたが何と2個しかできなかったそうだ。リンゴを無農薬で作ることは不可能である。それでどれだけ農薬を減らすことができるかが課題で、昆虫のメスの匂いを化学的に作ったフェロモントラップにオスを寄せ付け繁殖させないなど様々な取り組みがなされていた。農協が作成しているいつどういう種類の農薬を散布するかというマニュアル防除暦があるが、その農薬の3割カットをめざして取り組んできた。今では4割カットで収穫できるようになってきた。さらに木酢を使用して5割カットも可能となってきている。

収穫1か月前に打ち切りはFエースのみ
 Fエースでは収穫1か月前には農薬散布を打ち切っている。普通のリンゴは農薬を散布してすぐに出荷しているところもある。スーパーとの契約で農薬散布を5割カットのところもあるが、その分強い農薬を使用しているようだ。日本中で収穫前1か月で打ち切っているのはFエースだけでしょう。よく付く虫としてはカメムシとシンクイムシがいる。シンクイムシは4年に1回大発生する。シンクイムシにやられると消費者の皆さんのところに届いてすぐ中が腐っていたというのはこの虫の害である。やむを得ず殺虫剤を散布した場合は出荷を遅らせているので、配達が遅れることもある。リンゴの花は一つの花芽の所で中心に1つ咲き、回りに4つ咲く。この周りの4つを取り除き、さらに葉の集まり5つに1個になるように摘果する。それをせずたくさんならすと翌年は花が咲かず葉っぱばかりになってしまう。リンゴの密はデンプンが密化したもので12月にはまたデンプンに戻り消えてしまう。温かい内に密化すると10月に黒く変色することもある。リンゴは糖度があればおいしいのではなく酸味がないとおいしくない。リンゴの見分け方は(1)地色がいかに抜けているか、地色が緑から黄色になっているかである。(2)つるのくぼみが落ち込んでいる方がおいしい。(3)形がいびつでないもの。横に切るとリンゴは5つの部屋からなっていて、各切れ目の種の部分に均等に2個づつ種があればおいしい。パッと見てわかればプロですよ。

りんごの保存は冷暗所で
 保存方法としては、冷暗所に置くのがいいので、冷蔵庫に保管するのがいいです。冷蔵庫に入りきらなければ、発泡スチロールの蓋付き箱にコップ半分水を入れ、リンゴを並べて、涼しいところに保管してください。大きい方が軟化しやすく、小さい方が日持ちします。贈答用は大きなもので、家で食べるものは小さいものでと用途に合わせて選ぶとよい。南信州のものは11月中に北信州のは年内、青森のものは年明け2月くらいまでおいしく食べれるので、おいしさは時期と産地で判断もできる。中には青い内に収穫して日に当てて水を打ってということを繰り返すことによって(リンゴは温度変化が大きいと赤くなる)、紅いリンゴを作って高く売っているところもあるので注意した方がよい。ふつうリンゴは10キロ4000円程度で7000円もするようなのは高すぎる。収穫後10日で表面がべたついた頃が一番おいしい。この地方はなしの収穫も多く、日本一の収穫高であり、世界一の集果場もある。新種のなしで「南水」というものがあり、たいへん甘いが、今は高く1個1000円位するが2〜3年すれば市場にもお目見えするでしょう。10月10日に収穫するがほとんど予約でいっぱいである。ルレクチェという種も高価である。
「どれを取ったらいいのか迷うよー」

 当日は絶好の行楽日和で中央高速のサービスエリアは駐車場に止められない車があふれていました。男子トイレのオバさん達にも驚きましたが、もっとびっくりしたのは松川インター出口の渋滞でした。20分はかかってようやく出ると、道路沿いにはリンゴ、リンゴ、リンゴ、・・・。
 奥村農園に着き中に入るとつやつやした真っ赤なリンゴのイメージとは違う桃のような淡い赤が無数に迎えてくれました。子供たちは「どれを取ったらいいのか迷うよー」と叫んでいました。早速リンゴをいただきながら、奥村農園さんのお話を聞きました。蜜入りのリンゴは大事にとっておいてもそこは黒く腐ってしまうそうです。またすぐに食べないのなら小さめリンゴがいいとのことでした。梨の生産も盛んで、店にまで行きつかない「南水」という幻の品種があることも初めて知りました。その後に寄った「伊那谷道中」はこじんまりとはしているものの、江戸から昭和初期までの様子が詳しく再現されていました。併設の「満願成就の湯」と両方を回るには時間が少なくて、残念でした。それでもおかげ様で久しぶりの小旅行気分が味わうことができ、楽しい一日でした。
(居田 克巳)
残留農薬のない美味しいりんご

 当日は行楽シーズンということで中央自動車道・松川インターを出るのに大渋滞。それでも来てよっかた思えるようないい天気で、道路横のリンゴの色も真っ赤で本当に美味しそうに見えました。実際に食べてみたら密がしっかり入って甘く何個も食べてしまいました。
 農園の方の話では、ここでは農薬の量も標準の約4割位減らして、更に9月中旬以降は使用していないとの事なので、今、木に付いている物は残留農薬がほとんど無いと聞いて安心して食べられました。色々と話を聞いていますと、農園の経営は大変なことが良く分かりました。松川町は梨の一大産地と聞いてえ〜と思ったら、超高級な梨も有ると二度ビックリしました。忙しい時に分かりやすい説明をして頂き、本当にありがとうございました。
(チーちゃんのオバサン)
たらふく食べて大満足

 青空の下、たわわに実ったりんごの木の下でたらふく食べ、帰りの車の中ではおしゃべり、気分爽快、最高の一日でした。またよろしくお願いします。
(T・H) (M・S) (S・H)
憧れの赤いりんごを3個産地でペロリ

 緑の木に赤い実がつくリンゴ。ズーと憧れていました。
 子供が小学生のころ一度計画倒れになってから縁が無くて行けなかったのです。
 今度の企画に飛び付きました。
 大きな実を1200も付けるというリンゴの木に感激しました。
 春、枝一杯に咲いた花を自然受粉させ、2度の摘果でちょうどよい量まで実を落とす。それがこの木の場合は1200個という説明です。農家の方の経験と努力が結んだ実です。土壌を大切にすることによって農薬を農協の指導から40%カットした安心なリンゴ。木から採ったリンゴはどれも蜜が入って甘く、身が締まったおいしいリンゴでした。
 たわわに実った赤いリンゴの下でおいしいリンゴを食べながらリンゴの選び方と保存の方法を教えてもらいました。それと時期によってリンゴの出身地を選ぶこと。地方によって同じ富士でもおいしくなる時期がちがってくる、考えてみれば当然ですが、今まで考えなかったことでした。お話を聞きながらついつい3個も頂きました。
 今、南信州のリンゴはこのところの朝晩の冷え込みと昼間の暖かさで蜜が入ってきてるそうです。その後は信州でも北の地方、お正月頃には東北のリンゴをを買うといいそうです。上手に選んで、おいしく頂きたい物です。
 一つ一つを選ぶ時は、形がいびつでなく丸いもの。じくのついてるくぼみの深いものがおいしいということです。
 リンゴの保存はできれば冷蔵庫、室内に置く時は、発泡スチロールの箱に水を入れたコップと一緒にいれて寒い所だそうです。
 すっきりと晴れ渡った空の元、リンゴ園から望んだ山々が高いところは雪化粧していて景色も十分堪能しました。
 賢くなってリンゴ園を出て昼食の後(そうです。御飯はちゃんと食べるのです。たとえリンゴ3この後でも)伊那谷道中へ寄りました。委員の皆さんにはすっかりお世話になって楽しい1日を過ごさせていただきました。ありがとうございました。
 また、楽しい企画をお願いします。
(猫)

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教職員委員会 りんごの産地見学報告
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