ニュースに一喝
−その22−


中学生5000万円恐喝事件
−金の亡者には金で償わせよ−


  こんな事件があった。中学生が、同級生達からいじめを受け、金をむしり取られていたという事件だ。鼻の骨を折られる暴行を受けて入院したり、あばら骨を折られて20日あまりも入院していたという。体には、火のついた煙草をすりつけられて出来たやけどの痕が無数にあるという。母親はそれでも、息子が殴られないようにと金を渡していたという。総額5000万円。何という痛ましい事件か。命があっただけまだ救いがあるというものか。徹底的に調べて貰わなければならない。
  これに関しても、学校の対応もよく分からないし、警察も合点のいかぬ事ばかりだ。 被害少年の親は何回も学校にも、警察にも訴えているという。一体、何をしていたのだろう。金を渡す親が悪い、非常識だと言うことはたやすい。私も、どうしてそんな多額をと思う。どうして、その前に何とかならなかったかと思う。しかし、親は懸命だったのだ。子供を救うために、金を渡すより仕方なかったのだ。訴えても、誰も助けてくれなかったのだ。何と痛ましいことだ。親を非難することも、子供を非難することも、学校を非難することも、警察を非難することもやさしい。しかし、そうして何になるか。
  中日新聞の、夕雀の欄にこうあった。このむしりとった金を、恐喝した少年達に一生かかっても、利子まで含めて返済させることだと。この趣旨には大賛成である。この、悪さをした中学生達にはこうやって罪の償いを一生涯掛けても徹底的にさせるべきである。自分たちのしたことの痛さを身をもって味わうべきである。この時、変な同情は絶対禁物である。
  それと同時に、この悪の中学生よりももっともっと大きな悪さをしでかした連中が世の中には有象無象。連中を野放しにしておく手はない。銀行や証券会社の不正や倒産、それ以外でも会社を食い物にした経営者や政治屋達。一部に徹底的に身ぐるみはがれた元代議士のことが報道されることがあるが、これはむしろ希有な例であり、多くは一体どうなったか全く知れない。バブルがはじけて、一部の連中の悪事は明るみに出たが、多くの巨悪は闇の中だ。金をごまかした連中や銭の亡者には銭で罪を償って貰うしかなかろう。だまし取った物に利子を付けて返済させることが先ず何よりも必要だ。多くの詐欺事件でも刑が軽すぎる。あれなら、一丁、俺もやってやろうと、などという不逞の輩が出てこないためにも、絶対に割には合わぬのだと言うことを知らしめなければならない。
  それに、最近は人権問題がどうのこうのといって、悪いことをした連中の人権がやたら擁護されて、被害を被った方がとんだ面の皮。これは少し考えるべきであろう。被害者が怒るのはもっとも千万である。悪い連中をのさばらせるな。悪いのも反省して罪を償えばまともであり、それを差別すれば問題だが、問題はそれ以前にある。悪い奴ら、これを徹底的に暴いて、世の中に知らしめると言うことがまず必要であり、その役目は、正にマスコミにあると思うのであるがいかが。変な特ダネばかりを探すのが能では無かろう。正義派のマスコミの出現を期待する。
(T)  

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