短 信


ニュートリノの質量測定がスタート


 謎の粒子「ニュートリノ」に関する新しい研究プロジェクトがスタートしました。
 これまでのニュートリノに関する実験によって、ニュートリノに質量のあることが確実となり、その重さを確定することがいよいよ重要な研究目標となっています。
 新しい研究プロジェクトは、まさにこの問題に回答を与えるために考えられたもので、欧州合同原子核研究機構(CERN:スイス・ジュネーブ)から打ち出したニュートリノを、イタリア中部のグランサッソ研究所で検出、そのときμニュートリノがτニュートリノに変化した ものを直接検出することによってニュートリノの質量などを求めようという実験です。この実験にはτニュートリノ検出で成果をあげた名古屋大学の実験グループも参加しており、2005年実施に向けて、その準備が始まりました。
 この実験でニュートリノ検出の主役を務めるのは原子核乾板です。原子核乾板は古典的な素粒子検出手段で、写真乾板によく似ており、ミクロン精度で素粒子反応が見られるため、かつては宇宙線の崩壊から数多くの素粒子を検出し、いち時代を築きました。 しかし、膨大な反応の中から目的の反応を選り分ける解析の困難性がつきまとうという欠点がありました。
 今回用いる原子核乾板は解析を容易にするための新しい工夫がされているとともに、今日のコンピュータ技術などの発展で極めて高速な解析が可能となり、膨大な原子核反応の中から目的の反応を効率よく取り出せるようになったことが、新しい実験を可能にしました。
 今回の実験は、約1000トンの原子核乾板を精度よく並べ、反応の起こった部分の原子核乾板を自由に取り出すことができる機構の開発が成否を握っています。この部分の設計はすでに始まっており、CERNと名古屋大学の技術職員相互の知恵比べといった状況です。     
(河合)  


クアルコム社がEudoraを無償化


 米クアルコム社は、Mac市場で急速にシェアを拡大している米マイクロソフト社のOutlook Expressに対抗して、電子メールソフト「Eudora」を無償化することを発表した。
 Eudoraは米イリノイ大学で開発され、当初、無償だったがクアルコム社がライセンスを取得してから、有償版の「Eudora Pro」と無償版の「Eudora Light」がリリースされていた。今回の決定により、製品ラインは「Eudora 4.3」に一本化され、フィルタリング機能、メッセージ検索、マルチメールアカウントなどの商用版の主要機能が無償で提供されることになる。新バージョンは150×150ドットの広告が常時表示される無償の「スポンサーモード」、広告が表示されない有償の「ペイドモード」、Eudora Lightからのアップグレードでスポンサーのロゴなどが表示される無償の「ライトモード」から選択できる。クアルコム社は、広告収入を長期的な製品開発コストに充当する「新しいビジネスモデルを採用した」としている。(ダウンロードは
http://www.eudora.com
 日本語版Eudoraはクニリサーチインターナショナルが販売しており、EudoraとArtを融合した「Eudora ART Series」を2月5日から4種類各1万本を限定販売。無償化の予定はないようである。(http://www.kuni.co.jp
(みのうら)  

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