魔 言
−その17−
分からない
『全大教』という新聞がある。全国大学高専教職員組合が発行人になっている機関誌だ。毎月配られてくる。その中に、つい最近のもの(1999・5・10)に「『学校教育法等の一部改正』案 短時日での衆院通過に抗議」という記事があった。全大教中央執行委員長の談話も掲載されている。「参議院審議始まる「徹底した慎重審議を要求」「国会への意見反映を重視」等々の見出しがあり、これは一体どういうことかと思い、一生懸命読んだ。
しかし、いくら読んでも、この見出しのほか何事も分からぬ。一体どういう、改正なのかがどこをどう見ても書いてない。それを知らぬ方が悪いと言われれば一言もないが、何をどう改正するのかとんと分からぬ。とにかく、審議時間が足りない、もっと慎重審議をしろの一点張り。この記事を書いた人たちはよく知っているのだろうが、この記事を見る人たちが知っているとは限らない。むしろ知っているならもうこんな新聞は要らない。知らない人に何がどうなっているのかを知らせるのが重要なのではないか。
「名大ねっと」の1999・5・18にも同様の記事。ここにもやっぱり、その法律案の内容は全く書いてない。「学校教育法等の一部改正案」としかない。一体、何がどうなのかは全く分からないことは同じ。どうしてそうなのだろう。「名大ねっと」の1999・6・7を見てようやく分かった。けれども、原案などは示されていない。原案がどんなながさのものか知らないけれども、原案を載せて、その解説をしてくれるといいと思う。法律案の読み方を知るためにも。
恐らく前にもこういう解説があったのだろうが、「一部改正」というたびに、内容をわかりやすくしてほしい。いけないところがあれば、どこがどう悪いのかいいのか、分かるようにしてもらえないだろうか。知らない方が悪いと言わないでほしい。
実際問題、この記事だけを見て同感するわけには行かないだろう。分かっている人だけが分かり、そうでない人は依然として分からないまま。それでは、広報の意味がないではないか。
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教職員委員会 魔 言
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