ニュースに一喝
−その15−
たった一字の違い
6月10日中日朝刊に「希少外車夢から幻に?輸入ピンチ」の記事中にこんなところがあった。「運輸省は車両を登録する際に、衝突時に安全性を証明する書類の提出を義務づけた。」と。このままでは「衝突時に」は 「提出を義務づけた」を修飾することになる。趣旨は 「衝突時にも安全性であることを証明する書類の提出を義務づけた」ということだ。これを短くいおうとしてこうなったのだと思うが、とすればこの「に」は「の」とあるべきだ。誠に小さなことで見逃されそうだが、一字一句たりとも大切なことで、言葉をこんなことで乱してはならない。これは言葉の変化に起因するものでも、ユレでもない。単なる誤りだ。ついでだが、この記事の中で、運輸省が「マニア向けだからといって人命にかかわる安全性で特別扱いはできない」といっているのはいい言葉だ。よく覚えておいてほしい。
そういえば、大分前の話で、ラジオで聴いたが、新聞では見損なってしまい、真相が十分でないが、こんなことがあったのを思い出した。やはり自動車の安全性に関わる問題だ。国内販売の車にはその安全装置はなく、輸出車には、確か相手はアメリカだったと思うが、それがないと許可にならないということで、それがつけてあるといったことだった。国内のものにもそれを付けるとか付けないとかといった話だった。急発進をしないようにする装置か、何かだったと思う。おかしなことだと思って聞いていた。
もっとも、アメリカやヨーロッパもおかしなところがある。日本で燃費によって税金を上下させようという論議があるが、それに反対だといっていた。自分たちが、少しでも不利になることは、なりふり構わず反対するのだ。確か、日本の自動車工業界もはじめ反対していたと聞いたが、もうあきらめたのだろうか。
話がずれてしまった。安全性や環境のことで妥協は不要だが、希少外車の輸入は中小業者の仕事らしく、そのあたりに何となくウサンクササを感じるのは、例のひん曲がった根性からだろうか。
(T)
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