ニュースに一喝
−その15−
景品交換所
常々不思議に思っている。ギャンブルはいかん、賭事は御法度だといっておきながら、パチンコの景品交換はどうしていいのか。
それを合法的にしているのが、いわゆる景品交換所だ。たいていパチンコ屋に近いところに小さな小屋のようなものであったり、隣のビルの片隅であったり。20センチ四方ぐらいの小さな窓が付いていて、中の人も見えないし、どうなっているかも分からない。時々、強盗に襲われたなどという新聞記事を見る。
沢山取ったパチンコの玉を直接お金に交換すればいいものを、そうすると恐らく法律違反なのだろう。一旦、何か知らぬが、ペンとか何とか言う代物に代えた上で、それを又換金するのである。パチンコ屋は景品と交換しただけで、特に問題はないのだ。交換所の方はそのペンとかいうものを買い取るのだからこれ又問題はないのだ。交換所はパチンコ屋の中にあってはいけないのだ。別々の独立した機関でないといけないのだ。こういう見え見えの子供だましの仕掛けで、ギャンブルが成り立っている。
しかし、これを合法的と見るのは全く形式的判断、法の精神を踏みにじっている。そして、これを黙認しているのは、取り締まるべき機関の怠慢そのものである。もっとも、聞くところによれば、真偽のほどは調べるつもりもないが、取り締まるべき機関の天下り先になっているから、取り締まりようもないのだと。もと、子供の遊びであったものを取り上げて、大人がやっている。正気の沙汰か。
公営のギャンブルにしても、一種の愚民政策ではないか。西洋先進国でやっているからいいというものではない。そのために一生を棒に振る人、一家を路頭に迷わせる人、これが健全な国家のやることか。お金に困らない人が、遊びでやる程度はよかろうが、働き盛りが、前後も顧みずにやるものではない。ギャンブルで身上(しんしょう)をなくした人の話は聞くが、財産を築いた人のことは聞かない。その分別の付く人ばかりならよい。そうではない人がやるから問題になる。
(T)
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