映画「にんげんをかえせ」上映会と
被爆者講演会
「54年前ヒロシマに何が起きたか」



「被爆者は1秒でも生きることが平和運動だ!」木戸大


 名古屋大学平和憲章制定12周年記念企画が4月28日(水)の17時30分よりベンチャー・ビジネス・ラボラトリーで開催されました。
 当日は映画「にんげんをかえせ」と被爆者の木戸氏講演「54年前ヒロシマに何が起きたか」が行われました。
 映画「にんげんをかえせ」はアメリカ軍の原爆投下後からの克明に記録したフィルムを買い戻す運動「10フィート運動」で製作された映画です。
 原爆被害の実相を世界の人に知ってもらうべく、国連軍縮会議と相まって日本だけではなく世界中で上映されたものです。使用されているフィルムはほんの一部ですが、これまで克明にアメリカは調査をしたのか、より強力な核軍拡の基礎にされたのは明白であり、平和の訴えを絶やしてはない事を教えてくれる映画です。
 木戸氏の講演は冒頭に最近のきな臭い動きに「おまえは何をしているのか」と亡き人々に言われている思いであると発言され、戦時中の少年がそうであったように「軍国少年」の木戸氏は海軍に特別幹部生として志願され、たまたま、昭和20年8月は広島の陸軍病院に入院されておりました。退院は8月6日8時の予定でしたがいくつかの幸運が重なり助かったそうです。一つは前夜の空襲の関係で退院が8時30分に延びたこと。二つ目は閃光を見た瞬間に室内に避難、しかもベットの下に待避したことにより、爆風被害をまぬがれたことでした。
 この後木戸氏は救助活動に当たられるわけですが、当時最高の医療機関であった陸軍病院が陸軍病院を頼ってきた多くの被爆者の多さに一瞬にして治療機能を失い、その後どのように傷病者を扱ったか。その中で救助する人間がどのような精神状態になっていったか。
 その内容は感想として書くには無理があり、是非とも機会を設けて、直接聞いていただきたいと思います。
 最後に木戸氏は被爆者は一秒でも生きることが平和に貢献することであり、被爆者団体の役員として会員をはげましていることや被爆者認定が厳しくなっていることに触れられ、若い人々の頑張りと協力を訴えられました。
 今、これだけの話を被爆者の方から聴くのは難しくなってきています。それだけに参加者が少なかったことが唯一残念でした。
被爆者にとってはまだ戦争は終わっていない


 戦争映画や漫画とは違う、現実の戦争の一端を垣間みたように思います。「○○人の死傷者が出た」というように死傷者を数字として眺めるだけでなく、被曝者個人の生活(例えば「身体さえ悪くなければ国連に行って核廃絶を訴えるのに」と語る老人)を追う視点が好きでした。一人ひとりの死や苦しみや悲しみを考えれば、けして原爆をはじめ核兵器には賛成できないと思います。核抑止論者も実際の様子を目を凝らして見るべきだ、と思うのですが。
 証言者のお話には、原爆の後遺症を今も残していることなど、戦争はまだ終わってはいないのだということを再認識させられた点もありました。同時に、証言者が一人もいなくなってしまったときに、私たち自身が、証言者と同じような重みをもって反核の思いを伝えていくことができるのだろうか、と疑問に思いました。(傘谷祐之)

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教職員委員会 名古屋大学平和憲章制定12周年記念企画
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