ひとりごと −その14−

素人外務大臣に拍手


 田中真紀子外務大臣VS鈴木宗男+野上事務次官は、喧嘩両成敗という小泉裁きによって幕を閉じようとしたが、国会参考人招致での田中真紀子元外務大臣の発言は、スカートのすそを踏む人が小泉首相その人だった・・・とのべ、改めて処分の不当性を訴えると共に、小泉裁きそのものに対し異議を表明した。
 そして、鈴木宗男(悪人なので呼び捨てにする)の海外支援事業に対する干渉と介入を、共産党議員が秘密文書を示して暴露したところは、今国会の最大の見せ場となり、繰り返しTVで放映されている。
 この一連の事件は、田中外務大臣が、国際会議などでの日本政府の対応に一議員が干渉している「とんでもない実態」を暴こうとし、初心を忘れず、最後まで筋を通したことで、外務省のODA事業が私物化されている実態までも白日の下さらすこととなり、俄然面白くなってきた。
 田中真紀子氏は、それまでの政治家とはことなり、いかにも素人政治家で、話もわかりやすい。その素人気質のまま、外務大臣として独自の観点や感性で動いた結果、外務官僚と衝突し、外務省を食い物にしていた魍魎から一斉攻撃を受けたのだった。
 国民はよく見ていた。単純に「じゅんいちろうちゃーん!ステキー!!」と叫んでいた女性支持層は、この騒動で覚醒し、「じゅんいちろー、おまえが一番わるいー!」となったのだ。
 小泉首相のMLは有名であるが、いまや、このMLは小泉批判の洪水となりつつある。
 だれが見ても「おかしい」と思うことを、「おかしい!」と言えた田中真紀子氏に、拍手を送りたい。

 最先端科学技術の開発研究を掲げる我が名古屋大学においては、このような名人芸的職人技をどのように考えているのであろうか。
(理学部 河合利秀)  


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教職員委員会 ひとりごと
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