ニュースに一喝
−その22−


国家試験問題漏洩


  こういうことをよく聞く。今年も、奥羽大学とかの先生が、問題の一部を漏らしたとかで、何回も何回もテレビで放送されていた。試験をやる限り、こういうことは、次から次へ出てきて決して尽きることはあるまい。それかと言って、やっぱり医師の国家試験とか、歯科医師の国家試験、司法試験、あるいは、他の種々の国家による認定試験を止めてしまうわけにはいくまい。要はそのやり方、考え方の問題だと思う。
  これらの試験はいずれも大学までの入試など、選抜試験とは違い資格試験である。一定の能力・資格があるかを知るためのもので、一定水準をクリヤーできれば全員合格でもいい。逆に水準に達していなければ全員不合格ということさえありうる。実際にこんな極端なことは起こるまいが、自動車の免許の試験でも同じ事である。それなのに、この中には、そうでない要素が混じっているからややこしいことも起こる。司法試験などがそうだということを聞くが、なかなか改善されないらしい。
  そうならば、いっそのこと、試験問題はあらゆる分野から、あらゆるものを作り、前もって全て公表しておいて、今年は、そのうちの何番目と何番目を出すということにすればいい。しかし、これも、前もって決めておけば、それを知っている人が漏らさぬとも限らない。試験が実際に始まってからか、直前に決めればよい。受験する人にくじを引かせてもいい。決まってから、試験が始まるまで若干の時間が掛かるかも知れないが、これも、専用のコンピュータを使えば、選ばれた問題を瞬時にディスプレイ出来るだろう。解答も勿論コンピュータを使ってやれば、大幅に採点時間は短縮できるはずである。
  ただ、このほかに、必ず、自分で文章を書いて、その職業につく理由、それに就いたら一体何をやるかを約束するような文章を書かせることが必要だろう。しかし、それも、受験技術で突破しようとする連中が必ず出てこようから、追跡調査は必要である。面倒かも知れないが、現在試験に費やす厖大なエネルギー、しかも、余り、生産的でないエネルギーのことを思えば、この方がベターであろう。
  これは、大学入試等へも援用可能な部分もある。私は元来は試験不要論者であるが、どうしてもやるなら、やっぱり前もって考えられる限りの問題を前もって公表しておき、全国の大学が、そのリストをもとに、適当に選んで試験すればいい。後で、何処の大学がどれを選んだかによって、大学の格付けが決まるかも知れないが、それはどうでもいい。早速、センター試験など、こういう方式に変えたらどうかと思う。毎年毎年無駄な厖大なエネルギーが問題作成のために費やされている。
  こうやっても、問題は時宜にあったものを追加して作成して行かねばなるまいが、その、費用、時間等は遙かに少なくて済む。問題を作るマニアもいるから、任せておいてそれを逐次、登録していってもいいかも知れない。
  大分、話題がそれたが、これは面白半分ではない。真剣な提案である。
(T)  

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