かけはし2月号の主張
日中友好を進める原動力は「草の根」の人々
平成9年9月1日から1か月間、日中国交正常化25周年を迎えたのを機会に、日中友好協会会長・孫平化先生の「私の履歴書」が日本経済新聞に連載されていた。その中で、孫先生のメッセージが目に止まった。孫先生は「日本の政治家はとにかく仲良くしましょう」というが、その先が中々見えてこない。日中双方が互いに心の底から信頼し合える関係を構築していくには「様々なレベルの人と人との交流が大切である」と述べている。
ちょうど、この連載が始まる直前に、名古屋大学生協国際化プロジェクトとして、本学の学生と中国の南京大学、北京第二外国語学院(姉妹提携校)の学生との間で夏休みの期間を利用して、相互に訪問し語学研修や交流をしながら親交を深める短期留学の交流が行われていた。この日中双方の学生の相互交流を見て、孫先生が最後の力を振り絞って病床で執筆されたメッセージがタイミング良く両国の若い人たちへ通じたかのように思われてならなかった。このような国際交流の経験は、大学生協レベルでは初めての試みであり極めて有意義なことではないだろうか。そして、さっそく南京大学からは名古屋大学の学生と交流を深め日本の社会、文化、歴史を理解することができ、中国の学生に美しく深い印象を残しましたという礼状が生協理事長宛に届けられた。
昨年11月下旬に来日された江沢民・中国主席の公式発言の中に日中親善を進める原動力は政府ではなく「草の根の人々」であると発言されている。
この「草の根」に一役買っているのが、中国の大学(南京大学・北京第二外国語学院)と名古屋大学生協理事会との交流による、両国の学生の短期留学や調理師交換研修である。今年3月、名古屋大学生協教職員委員会では中国の大学の教職員と交流を深めるとともに、多くの教職員が安価でかつ容易に中国に渡航することが可能になる企画を準備するため、99年度の方針合宿を中国の北京でおこなうことになった。これを契機に、さらに「草の根」の輪を広げていきたい。
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