ひとやすみ
グリの最期
「会うが別れの始とは・・」歌詞の文句ではないけれど、永年連れ添った犬でも永久の別れとなると惜別の名残は人にも劣らないものがある。ちょうど1月の新聞で「ペットとの別れからノイローゼや自殺にまで至るケースがみられ『・・・症候群』と名付けて呼んでいて、独身女性に多い傾向だ」という記事を読んだ。
我が家のグリはこの欄で自己紹介もしたが、スピッツと大型犬の雑種で、中学生になった次女が交通事故でU字溝に落ちて後ろ足を負傷した捨て犬を拾ってきて育てた。甲斐あって、13年の間我が家のアイドルとして5人の家族に愛されてきた。犬の嫌いな細君もついには愛犬家になった。しかし、10年を経過した一昨年の夏のころ首筋におできができた。獣医院で手術をして初めての入院生活を送り、大きな首輪をはめられ驚いた様子で退院してきた『グリ』。「もって来年の夏だね」と宣告を受けたときの悲しさは表現に余りある。
それでも夏を過ぎ、秋までもったときには「ひょっとして獣医さんの誤診では」と願ったが、それもむなしかった。 (C)
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教職員委員会 ひとやすみ
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